同業種への転職に比べて異業種への転職が難しいと言われているのには色々な理由がありますが、常識が業界によって異なることが代表例として挙げられます。よく知られているのは業界用語で、略語で呼んでいるものが業界内でしかほとんど通じないことはよくあります。特にIT業界など著しく成長を続けている業界では次々に業界用語が生まれています。少し前まで一般的だった言葉も今はもう使われていないこともあるため、常に勉強が必要です。業界内の人でも勉強が欠かせないため、基礎から学ばなければならない業界外の人は追いついていくのに困難になりがちです。
業界常識は用語だけではなくマナーやルールに関するものもあります。接客の仕方や上司との接し方などの人間関係に関連するものもあれば、仕事の進め方や優先順位の考え方なども業界によって慣習が異なっています。このような常識が異なっていると業務効率に大きな影響を及ぼすことから異業種の人はなかなか受け入れられないと考えている企業が多いのです。常識が違うとコミュニケーション上のトラブルが生じやすく、ミスを起こすことも増えがちになります。コミュニケーションのために必要な知識として持っている人を採用しておきたいと考えるのはもっともなことでしょう。
このため、異業種への転職を目指すときには業界常識を身につけておくことが重要です。少なくとも面接で業界用語を出されても特に気にすることなく対話を続けられるようにすると常識の理解があると認めてもらいやすくなります。